生分解性プラスチックには多くの種類があり、種類によって生分解する条件や速度が大きく異なっているため、生分解の特性を把握するための標準化された試験方法が必要となります。生分解性プラスチックの開発当初から、ISO (国際標準化機構)を中心として、EU、ドイツ、米国、日本などにおいて生分解性に関する試験の標準化が進められてきました。生分解性プラスチックは、使用中は通常のプラスチックと同様に使用でき、使用後は自然界において微生物により低分子化合物に分解され、最終的に水と炭酸ガスになるプラスチックであると一般に定義されています。微生物の培養条件としては、好気性と嫌気性に分かれます。培地としては汚泥や土壌やコンポスト抽出液を利用する水系と、土壌やコンポストを利用した固相系があります。生分解度を算出するための方法として、酸素消費量を測定する方法と発生する炭酸ガスの量を測定する方法とがあり、このような培養条件と測定方法の組合せによっていくつかの試験方法がISOで発効されています。ISO14851 (]IS K6950) とISO14852 (]IS K6951) は、好気性雰囲気・水系での試験法です。ISO14855 (]IS K6953) は、好気性雰囲気・固相系(コンポスト)での試験法となります。以降ISO17556、ISO16929、ISO20200、ISO14853、ISO15985が成立しています。ISO 17556は、土壌を微生物源にする好気性雰囲気・固相系での試験法であり、農業土木資材などの自然環境中で使用される用途の生分解性プラスチックの分解性評価のための試験法でJISK6955としてJ1S化もされています。