輸出を行う際、特に危険物を扱う場合には、適切な包装が極めて重要です。UNマークを取得した紙袋は、国際連合が定めた「危険物輸送に関する勧告」に基づいて安全に使用できることが証明されています。この記事では、UNマーク紙袋の取得手順とその重要性について詳しく解説します。
UNマーク紙袋の取得手順は、いくつかのステップを経て行われます。まず、お客様の製品の内容および危険物の国連番号を確認します。この情報を基に、対応可能な紙袋の形状を決定します。例えば、3層以上のクラフト紙で作られた袋や、最内層がPE袋で防水性を持つ多層クラフト袋などが使用されます。
紙袋の形状が決まったら、紙袋のサンプルを製造し、お客様の製品を充填してテストを行います。この段階で、実際の使用条件に耐えられるかどうかを確認します。テストが成功した場合、日本舶用品検定協会への申請を行い、検査日や検査内容の調整を行います。
次に、検査内容として紙袋の性能試験が行われます。これは、実際に運搬に使用する紙袋のサンプルに内容物を袋詰めし、供試品を4袋用意して行います。供試品を調湿し、検定員の立ち合いのもとで落下テストなどの試験が実施されます。
さらに、工場調査が行われます。日本舶用品検定協会の検定員が工場を訪れ、製造プロセスや品質管理体制を確認します。この調査に合格すれば、UNマークを表示するための紙袋の製造が認められます。
UNマークを取得することの重要性は、主に安全性の確保にあります。危険物を輸送する際、適切な包装がされていないと重大な事故につながる可能性があります。UNマークが付与された紙袋は、厳しい検査をクリアした証であり、安全に使用できることが保証されています。これにより、輸送中のリスクを最小限に抑えることができます。
また、UNマークを取得することで、国際的な取引が円滑に進むという利点もあります。国際輸送では、各国の規制に適合していることが求められます。UNマークを取得している包装材を使用することで、輸送先の国での手続きがスムーズに進み、トラブルを避けることができます。
例えば、化学薬品や医薬品などの輸送において、UNマーク紙袋は必須です。これらの製品は、高い安全基準を満たす必要があり、UNマークを取得することで、その基準をクリアしていることが証明されます。さらに、防水性や防湿性が求められる製品の場合、PE袋を内包した多層クラフト袋が適しています。これにより、外部からの湿気や水分を遮断し、製品の品質を維持することができます。
UNマーク紙袋の取得は、安全な輸送と国際取引の円滑化に不可欠です。正確な手順を踏んで取得することで、危険物の安全な輸送が保証され、取引先からの信頼も得ることができます。包装資材の選定においては、UNマークの取得を検討し、安全性と効率性を追求しましょう。