食品包装と言われた時に、チョコレートに銀紙という取り合わせが思い浮かぶ人が多いのではないでしょうか。この組み合わせは、単なる偶然から生まれたものではありません。銀紙、正確にはアルミ箔ですが、その包装材がチョコレートには最適だという先人から受け継がれてきたものなのです。アルミ箔は今でも食品の包装材、とりわけシール蓋の内面に蒸着して使われているように外気や光の影響を抑制できる最適な素材だからです。チョコレートという食品は香りがよく、つい手が伸びてしまうという人と同じように虫にとってもその香りは魅力的です。また油脂分が含まれているがゆえ光による酸化もあり、この光もアルミ箔は防いでくれています。また、昨今包装業界でも注目されている「易開封性」もすこぶる良い、となるとまさにうってつけの包材と言えるのではないでしょうか。同様の機能を同じようなコストでまかなう方法は並大抵ではありません。同様なアルミ箔を紙に貼り合わせたチューインガムの包装も理にかなったもののようです。チューインガムの糖分は、このアルム箔で吸湿を防いでくれています。包装技術が発達した今でも昔ながらの包装形態が受け継がれているのは、まさに適材適所なものは時代が変わってもすたれないということなのかもしれません。